「お母さん、お世話になりました。」と 始めの結婚式の控え室の場面から涙が出てきた。
吟子(吉永小百合さま)は、夫を早くに亡くし、女手ひとつで娘の小春(蒼井優さん)を育てていた。
エリート医師との結婚が決まった小春の結婚式に吟子の弟・鉄郎(笑福亭鶴瓶さん)が突然現れ、泥酔して披露宴を台無しにしてしまう。
鶴瓶さんがマイクを独占して「王将」を歌ったあげく大暴れするこの場面では、場内で笑い声がわいた。
ところがこんな笑いの一場面でさえ私には切なくて悲しくて…右手には絶えずハンカチを握っての鑑賞だった。
親子、兄妹、叔父と姪など、どちらの家庭にでもある話だ。ごくごく在り来たりな会話や振る舞いを見ているだけなのに何だか涙が出てくる。
バツイチになった小春が幼なじみで大工の亨(加瀬亮さん)と再婚する話に至る頃には1枚のハンカチがしっかり湿ってボロボロになってしまった。
「バツイチになったことは君の人格にはなんも関係ないじゃないか。俺はそんなこと一度だって気にしたことないぞ。」と、亨の言葉。
亨は男らしく、裏表の無いまっすぐな気持ちをもっている人だ。
私の娘も小春の幸せを願っている様子、というより念じているかのようにハンカチをしっかり握っていた。
喧嘩したり許したりを繰り返す家族にいつかは必ず訪れる最期の別れ。
人は家族を看取るために生きなければならないんだね。その時「お疲れさま」って言えるかな。
突拍子もない言動や はちゃめちゃな現実の中で、家族だからこそ腹が立つし、家族だからこそ無条件で受け入れる深い絆があるんだなってことを感じた。
……………
私にもたった一人の弟がいる。優秀で、可愛くて、幼少の頃から一身に親の愛を引き寄せる弟だった。
4歳年上の姉である私は、愛おしいほど可愛い彼に心無いことを言った事がある。
「あなたの存在がねたましい。この世に居なかったら良いのに!」と、
その言葉が仇となって弟の人生を狂わしはしなかっただろうか?悔やんでも悔やみきれない。
あれほど優秀で模範的だった弟の歯車が少しずれて幸せから縁遠く見えるたび何度も心の中で詫びてきた。
姉ちゃんを許してください。。。
……………
年明けからあれやこれやと慌しくてなかなか映画館に行けなかった。
3月19日までの上映と気づき朝9時20分滑り込みセーフで、一日一本のこの一番を娘と共に観ることができた。
一見に値する映画であったことを付記しておこう。
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