夫は
職人としてのプライドを持ち昼間は一所懸命働いていました。
毎夜、友人と酒を交わすことを楽しみにしていました。
私が知っている夫は、
寂しくなったり苦しくなったとき、一人で抱えるのではなく誰かに満たしてもらおうとする人でした。
そして、妻と向き合うのではなく別の関係を作る人でした。
夫は
揚げ足を取る時以外は私を真っ直ぐ見ることはなく いつも伏し目がちで仏頂面をして会話やスキンシップを取りません。
ところが対外的には、
人に嫌われることを極端に怖がっていて、男女問わず自分に向けて優しい言葉を掛けてくれる人が大好きでした。中でも比較的ご老人に好かれていました。
攻撃を全く感じない優しい気持ちを寄せてくれる人の中でいつも安心して笑っていました。
特に、
性格や顔に関係なくストレートに好意を寄せてくる女性が大好きでした。
鼻の下を伸ばして直ぐになびいてしまいます。
私を連れ歩かないのは安心して飲める自分の場所を大切にしたいからだと感じていました。
不思議ですが妻ではダメなのでしょう。何故か私には夫をほぐす力は無く…求めてくる女性と飲むことが唯一の楽しみのようでした。
承認欲求の強い夫を家庭に縛ることができず、私は心情を察して本心は苦しいのに理解をしている振りを演じていました。
私のトキメキはささやかな日常にありますが、
夫のトキメキポイントは秘密を繰り返すことのようでした。
とにかく隠し事が多い人です。
一見すると硬派、淡白、そしてシャイ そんな表現が似合う夫を女性は放っとくことができないようで、
優しさを前面に出し昭和から令和まで多くの女性をロマンスに巻き込みました。
.