夫と言う人


夫は
職人としてのプライドを持ち昼間は一所懸命働いていました。
毎夜、友人と酒を交わすことを楽しみにしていました。


私が知っている夫は、
寂しくなったり苦しくなったとき、一人で抱えるのではなく誰かに満たしてもらおうとする人でした。
そして、妻と向き合うのではなく別の関係を作る人でした。


夫は
揚げ足を取る時以外は私を真っ直ぐ見ることはなく いつも伏し目がちで仏頂面をして会話やスキンシップを取りません。
ところが対外的には、
人に嫌われることを極端に怖がっていて、男女問わず自分に向けて優しい言葉を掛けてくれる人が大好きでした。中でも比較的ご老人に好かれていました。
攻撃を全く感じない優しい気持ちを寄せてくれる人の中でいつも安心して笑っていました。


特に、
性格や顔に関係なくストレートに好意を寄せてくる女性が大好きでした。
鼻の下を伸ばして直ぐになびいてしまいます。
私を連れ歩かないのは安心して飲める自分の場所を大切にしたいからだと感じていました。
不思議ですが妻ではダメなのでしょう。何故か私には夫をほぐす力は無く…求めてくる女性と飲むことが唯一の楽しみのようでした。
承認欲求の強い夫を家庭に縛ることができず、私は心情を察して本心は苦しいのに理解をしている振りを演じていました。


私のトキメキはささやかな日常にありますが、
夫のトキメキポイントは秘密を繰り返すことのようでした。
とにかく隠し事が多い人です。
一見すると硬派、淡白、そしてシャイ そんな表現が似合う夫を女性は放っとくことができないようで、
優しさを前面に出し昭和から令和まで多くの女性をロマンスに巻き込みました。


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回避する術は⋯


明日の死を覚悟し、後悔のない日常を過ごすことを意識してきたのは私の方でした。
融けるように亡くなる術を探していました。
ところが
私ではなく、、、あなた


あなたに
先を越されてしまいました。
別れがなんの前ぶれもなくやってきました。


亡くなる原因は一般的ではありませんし、あまりにも突然です。
人は自然な流れに従って死んでゆくと言います。
そうなるべくして当然そうなったという自然の成り行きであることは理解しようと努めていますが、


それにしても
人の死期と亡くなり方、その巡っている仕組やプロセスを知っていたなら回避できたかもしれません。


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さっきココに在った姿が急に消えてしまう。
こんなことが子どもたちにまで降り掛かりませんように。


子どもたちがこれ以上の哀しみを経験しませんように。


子どもたちが心を乱すことはありませんように。


なにとぞお守りください。


と、ご先祖様に手を合わせています。


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トンチンカンな人


人生はままならない・・・


書類整理が少し落ち着いてきたのでお世話になった方々へご挨拶を と夫のスマホを開けました。


すると


夫は、私が顧慮し得ない秘密の世界を持っていました。


明らかに優しさを表現する先を誤ったトンチンカンな人です。
ここまで女好きで遊び人だったとは、
私は理解し難くて苦しくて破裂しそうです。


夫は広い心と器の大きな人柄で多くの方から信頼されていると公言してきましたが、私の作りごとです。私の理想でした。


覚えのある方はもちろん どちら様にも申し上げます。
あなたを誘う人が家庭を持つ人なら断るコトが肝要です。
責任を持って守らなければならない人を大切にしない人ですよ。その何処に魅力がありますか?
連れ合いをも幸せにできない人があなたを幸せにするとは到底思えません。
幸せのために前を向いている私には理解できません。
ご自分の人生を大切にしてください。


一度も謝罪の言葉は無かったけれど、
「何いよんぞ。ワシはシッカリアンタに夢中じゃ!」
とその言葉にあぐらをかき、私は老後に向けて共に手を取り合って協力していく姿勢を示していましたが、夫の真意はどうだったのでしょうか?


人ひとりの人生を語る時、簡単には語れない絶大なドラマがあるものです。
スマホの中の文字が全てを表しているとしたら不義づくしで残念な生きざまです。
綺麗な涙を流しつつ惜しみながら純粋に別れを哀しみたかったわ〜。
心の繋がりを疑ったり生活を共にした証を覆すような情報なんて要らなかったわ〜。


家庭を壊してまで快楽を求める人の生き方は美しくありません。
誠にブサイクです。
そして、人の一面だけを見て自分は愛されていると信じ恋を楽しみ夫を慕っている女性に、
法的手段を取るまでもなく禊はあると信じています。


夫の職人としての技術はクオリティが高くとても誇らしい働きぶりでした。
前代未聞の弔問数に会場の驚きや焦りが見受けられます。そこからも伺えますが夫が多くの人と時間を共有してきたこと…特に地域行事に於いては本心を言い合った時間が多くあったことを認めます。
そこに信頼があったのか?偉業を成し遂げたのかは別として、
陰ながら支えて下さった方々のおかげで夫は立つことができました事を夫に変わりまして深く感謝を申し上げます。
その分、多くの方々にご迷惑をお掛けしたことと ご恩返しを未来永劫忘れてはいけないと肝に銘じております。


今夜は、
とあるグループLINEに 夫のスマホからメッセージを送りました。
夫の尊厳やら妻の役割を考えて⋯。


White Stoneの家内です。
生前は夫がお世話になりました。
葬儀の際に時間を掛けてのご参列、誠にありがとうございました。
美しいお供え花、暖まる弔電、そして沢山の方々に見送られた夫はさぞ驚き、今は満足に変わっているころと思います。

地元大好き、孫大好きな夫でした。友人とお酒を酌み交わすのも格別大好きな人でした。晩御飯を食べて毎夜いそいそと(居酒屋)やまとへ出掛けておりました。
皆様と呑み交わす会がさぞ楽しみだったことでしょう。

仕事熱心で職人気質、頑固おやじな面もあり怒りを抑えることが苦手な一面もありましたが、一途で真っ直ぐな人でした。
戒名は夫をそのまま現したような名前を頂きました。あの世で先祖との再会に喜んでいることと思います。

季節が一気に変わり、肌寒くなりました。皆様におかれましてもご自愛下さい。
今後も同級会や有志の会で思い出話をして頂くと夫も喜ぶことと思います。

これからもどうぞ新居浜太鼓祭り、そして我が家の子ども達を可愛がって下さい。よろしくお願いいたします。

(内)

夫の仕舞い


一気に寒くなりました。
11月に入り仕事を復帰しました。
ご配慮を頂き思いも寄らない忌引を頂きました。
可愛い〜カワイイ〜♬子どもたちの笑顔に♬仕草に♬癒されます。
キュンと締め付けていた胸が緩くなりました。
2つのコミュニティを持っていることに感謝です。


お休みを頂いていた間に謄本等の証明書類を必要枚数取り寄せ関係団体等にあいさつ方々書類を提出し、凍結で引き落とし不能となっていた支払いを済ませ、公共料金等の名義変更をし、お得意様へ請求書を発送し売上回収の算段がつき家業の帳簿付けがいよいよ終盤となりました。


夫と生活していると自分のペースで物事を運ぶことが希少だったのですが、子どもたちのパワーとスピードに助けられ泣く間もなく数々の仕舞いに没頭しています。



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