生きた証

週に3回職場に出入りしているクリーニング屋のおっちゃんは、毎度、調子の良いコトを言って一息ついて帰る。

私たち事務員は、掃除に専念している姿を見せつけながら朝の挨拶を交わしている。

いつもと勝手が違う引継ぎの様子を見て私の退職を察した彼が、いつも以上に調子付いて

「退職するん?清潔さと愛らしさにぞっこん惚れこんどったのに残念じゃ~。急だね。お疲れさま。」

と、言った。

『清潔さを一番追究している方にお褒めをいただいて光栄です。』

と、はじめてまともに会話を交わした。

社交辞令であることは、重々承知だけど、嬉しかった。

彼はいつか私を忘れてしまうでしょう。だけど、私は、退職間際の彼の言葉掛けを忘れることはないでしょう。

泣く顔、喜ぶ顔、困った顔、頑張った顔は、私がここに全力で生きた証。

彼が見た私の顔は、断片的なものかもしれないけれど、私を見ていてくれたんだと思うととっても嬉しかった。

丁寧さと正確さと速さで資力を尽くした。誠心誠意の仕事ぶりが生きた証。(愛らしさなんてちっとも考えてなかった.笑)

誰もそのところを評価してくれない。

それでいい。

私の存在が、私の判断が、私の声が役に立つことがここでの喜びだった。

『邁進しました。四十代後半の良い思い出ができました。お世話になりました。』

と、会長と奥様にご挨拶をして、本日職場を去った。

誰もが一冊の本になるような人生を送るものらしい。

その人生を振り返ると、主役じゃなくって、かすみそうのように主花を盛り立てる役の花もある。それは必要な存在だと思う。(枯れ木でない方が良いように思うけれど・・・.笑 )

私にも感動する場面が一つや二つはある。

瑞々しさを通り越したほおづきにも、生きた証があるんだよ。

ここに そっと 書き記しておこう。
音符

月は薄雲を通して 

月は薄雲を通して笑っていた。

ひんやりと冷気が頬をかすめる。

夜風を受けて私は揺れ動いていた。

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午後から来ていたパートさんが、8月末日、一身上の都合によりたった半年で退職した。

良きパートナーとなるはずだった。

私は、入社して2年3ヶ月。

考えることや覚えることがたくさんあって、一度に抱え込む任されごとは、自分のキャパシティを完全にオーバーしている。

職場の速度や調子などは速く、片時もゆったりとしておれない。

これからもこんな忙しさが次から次へと間断なく続いていくのかな。

忍耐と努力の限界を感じる。 老化の前兆なのかしら。

そう感じながらも
ときどき思うんです。あなたが必要だって言われたい。もっと役に立ちたい!

心が折れそうな職場の凹凸・・・そんな本能的な事を巻き絵にしても2話や3話で仕切れるものではない。

綺麗に書ける自信など全く無い。

隠しておかなければならない事がある。隠しておかなくっても、言いたくない事もある。

でも、ちょっとつぶやいてみる。

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暖かい社風の会社に勤め直したいなぁー。

走る人

緊張、孤独、感激

早朝の雨の冷たさとは打って変わって、日中は、気持ちの良い小春日和だった。
落札決定!!!
「やったー!」と、事務所内に歓喜の声が響く。
社長と目を合わせて握手を交わした。

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今日は県の開札があり、ギリギリの綺麗な数字でトップになっていた。
落札者の決定が保留となっている間の私の心境は、複雑すぎて表現のしようがない。
開札後の追加資料を無事提出した。
ほっ。o〇

ベル ベル ベル

あー、達成感♪

新しいことを学ぶことは楽しいこと。
今まで知らなかったことが分るということは嬉しいこと。
社長から「ありがとう」と言われると、モチベーションも上がる。
なんとも地味な喜びね。

ドキドキ

正念場

市、国、県と数日のタイム・ラグで、参加申請の準備をしてきた。
入札公告を声に出して読みすすめ入札参加資格があるかどうか見極める。
隣の席の小売業の事務員さんが「まるで読誦してるみたい。」と言って笑う。
つぶやくと言うよりお経を読むように・・・らしい。
私は深刻なんだけどな。

専門用語が並ぶ中、解らないことが段々解ってくる喜びは最高!
過去の施工実績の中から同工事の種類とその従事経験者をしぼり出し、今回の配置予定技術者を概ね決めてから会長へ報告し指示を待つ。
提出資料は毎回微妙に異なるので不備が無いか何度もチェックし参加申請書を作り上げていく。
技術者からの設計書が揃い次第、一室で一人っきりで電子入札をする。
緊張、孤独、感激、感動、落胆を何度も繰り返してきた。

バラ     しおれたバラ     バラ

速く・のどかに

入札に専念出来ると、とっても大助かりなのだけど、
専用ソフトの入力作業中、社員から求められる資料や見積書をWord、Excelで作成し、
OA入力をしながら、電話にも素早くでるといった作業を並列でこなし、
小売業の小口現金の管理も行い、入出金明細に基づき伝票を記入し帳簿へ転記する。
ご来客あれば受付で対応し、必要な部屋へご案内をし靴を並べお茶をだす。
キングファイル、コピー用紙、トナー、名刺、一行印といった備品の発注も手配し、
空き時間に社内の業務が円滑に進むようにと気付いた書類を作成し、
社内の郵便物を簡易書留や速達で郵送したり、公的諸証明や書類を取りに行くなど、ちょっとした外出もある。
日々、ミスなく、速く、のどかに。

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