職場は豊富な知識とノウハウが蓄積されたプロの集まりです。
当社は扱う商品は多く大概の物が揃っていると経営者は自負しています。
倉庫は在庫が高く積み上がっています。
かつては秩序よく並んでいたのだと思いますが、棚からはみ出したり落ちたりその通路でさえもほぼ反乱しています。
人手が足りていないので、手が回らないのです。
入社して数ヶ月過ぎましたがまだまだ商品を知りません。パソコン入力や帳簿付けはお手の物ですが、いつまでも新人です。
電話で注文を受けると温かい事務所を飛び出し寒い倉庫に入りその隙間を縫いながら身を縮めて目的の品を探します。
小さな手帳にこれまで先輩から教えていただいた商品の名称と図と特徴をメモっていますが、その手帳も手垢で汚れ分厚く広がっています。
私ときたら⋯電話での注文を何度も聞き直します。三半規管が弱いので揺ら揺らする体が商品にブチ当たりアザを拵えることが再々です。
気温の差もさることながら、知らない物を見つけ出すことはなかなか困難です。その通路のみならず、ここに腰掛けることは苦難の道です。
ただ、入社当初から心が萎えている私にはとても親切な人的環境です。
奢りたがぶることのない経営者の姿勢は「決して敵じゃないよ」と言っているように映ります。そして、世間話が大好物です。
毎日「大丈夫ぅ?」と尋ねてくれる7人のパート女性は、皆さまとても優しくかつ気丈です。
私、退職を決めました。
経営者は何度も言葉を変えて引き止めてくれました。
先輩であるパート女性達は「それが良い!十余年経つ私達でも知らない商品は山ほどある。退職は良い判断!」と何度も頷いて「現状平均年齢47歳!フットワーク軽やかな人材を求めて、この際平均年齢を下げよう!」と抱負を語っています。
経営者が私の継続を願って「電話に出なくて良い!重い商品は出さなくて良い!帳簿付けだけしてくれたら良い。」と、言った日。
ベテランパート女性が「私、重たいもの持てませんー」と言い放ちストライキを現行しました。
悔いなく退職できます。ありがとうございます。
あ~、私、頑張ったわ。
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