『めがね』を観た



『めがね』2007年に公開の映画をようやく観ることができた。



波の音が心地よく、不思議な時間が流れている。
大人は全員おしゃれなめがねをかけて海を眺めて黄昏れている。

気取らず、語らず、周りの目も気にせず、
皆、静かに自分の世界に入っているように観える。

義務を全て果たしきった人たちのお話のようなーーー。

穏やかな気持ちになるどころか…
私には、心もとない時間をゆるゆると過ごす不思議な世界に映る。



「めがね」の象徴するものって、先入観や偏見、欲望なのかもしれない。
ココは、生きていくうえで染み付いてしまったものを捨てて渡る賽の河原か?

以前に視聴を試みるも…
観ながらそのまま深い眠りに入りそうになった。
この世界観は何なんだ?
と、Huluの視聴中の欄に何年も棚上げしていた。

「迷わずここに来れたから、ここに居る才能がある。」
と、宿の主人が言っていたが
私もようやく機が熟したのか?(笑)



大事なのは焦らないこと
焦らなければ、そのうちきっと。
そのうちきっと成仏できるとでも? 
開眼するとでも言うの? 

ことに
海の向こうはどんな世界なのか?
黄昏れ上手になれた時、幸せになれると言うのだろうか。

子ども達も一緒に踊る愛嬌と脱力感のあるメルシー体操。
これが踊れたらこの向こうに渡れるとでも言うのだろうか。



テンポが良くてピンと背筋が伸びる映画が好きな私が、
首を傾げながら一人きりの静かな時間にこの映画を見終わった。

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