もはや ここまで

母子生活支援施設において☘


人にはそれぞれ生まれ持ったペースがある。入所者が主体性をもって生活できるように ニーズに合わせて時間をかけ丁寧な関わりが大切であることを実感した。
利用者(退寮者・入所者)の話は、堂々巡りのこともあり、私は鑑みるばかり…
指揮をとって下さった寮長の向き合い方は、ほぼ感性と母性だった。
ただただ感心するばかりであった。

母親の投げやりな物言いや感覚は、寂しさと自信の無さを覆い隠す為だと感じた。そして、怪訝な顔や取り付く島の無い態度は、もっと私を見て!と、訴えている様だった。
その母親の子どもが寮長に尋ねる。
「私は、なんでここにおるん?」
寮長は、
「〇〇ちゃんとママがね。新しいお家に行くために ここで支度をするためよ。」と、言った。
子どもは
「じゃー今じゃねぇ。」と。
すでに子どもは退寮を自己決断している。

就労、子育て、健康、いずれもお困り感が見受けられず、親子の関係良し!社会的自立もオッケー!あとは、入居先!そのように職員誰もが思っているのだが…
その母親は抵抗を続け、この場所に居ることが美徳だと思っているかのように、決断に時間が掛かった。


もはや ここまで
私達は、本日付けで解雇になる。


何とぞ、日常のささやかなことで良いので、幸せの感度を高める努力をして頂きたいと切に願う。


空を見上げた。花粉なのか黄砂なのか青空で有るはずの空が霞んでいた。
だが、春の陽気は充分感じる。

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