謙虚とは何?

これまで受けた中で最も良かったアドバイスは何ですか ?



『謙虚に!まるさん、人生は謙虚が一番ですよ。』
と上長が、入社5年目の私に諭すように言ったことがある。
結婚が決まり、こざかしくて ちょっと小生意気な私に対するはなむけの言葉だったのかもしれない。
その言葉は節目節目に思い出され、その折、考え過ぎるほど自分の人生を突き詰めて反省を重ねてきた。



新卒で初めて勤めた先は銀行だった。
その独身時代と 結婚後のパートと 子育て期を終え派遣で携わった時を含めて銀行業務の内部事務を10年ほど経験している。
その業務は学ぶことが多かった。



銀行仕立ての札勘(縦勘定.横勘定)、簿記2級を生かし業績の集計.整理.評価、電卓の早打ち、パソコンのブラインドタッチなど、そのスキルは私の得意とするモノになった。



その業務は私の人格形成にも繋がったと思っている。
絶望と憂鬱をもたらす時も有れば、その長く暗いトンネルはいつか必ず抜けるもので、全てが“整う”時がくることを教えてくれた。



肝心なのはスタッフとのコミュニケーションであると言う事を含めて、仕事の失敗より人との摩擦が一番怖いことも知っている。
私は適確な仕事をしつつ自由に自分を表現して、私と関わるスタッフに穏やかな時間と迅速な流れを約束できる人となろうと、心に決めたこともあった。



人とめぐりあう喜びを胸に秘め、明るく元気に根気よくをモットーにジャンジャンバリバリ癖になるほど励んだ。



それらは、自分の自信にもなったが、しかし、その後の人生、人と物と事に向き合う時、これまで習得したと思ったことは何一つ役に立たなかった。



子どもや夫と向き合う時、第三者や自然による予期せぬ事象にであった時、その経験は役に立たないことを思い知らされた。
自分の足跡の残像は、皆様に見守って頂いたお陰なのだと気付かされた。
この一歩一歩は目に見えぬ力に案内されてのことだった。



苦しいこと悲しいことは微塵も見せず前向きに頑張ろうとする姿は、虚勢を張っているように見えただろう。
耐え続ける思いは、全てに気配りが行き届かなかったのかもしれない。
か弱い振りをしたこともある。可愛くない姿には、情が湧かなかったことだろう。
謙虚に…励んでいたつもりだったが、謙虚では無かったのかもしれない。
虹の橋を見て明るい未来を想像したこともある。未来を夢見て全身全霊で邁進してきたが「私は空蝉だ。」と、虚無感に苛まれた事さえある。



謙虚とは何か?またまだ習得していない。
人生の折り返し地点を過ぎても深く深く考える。
自分の考えを押し付けること無く、人の話を傾聴する。
その姿勢は、より良い人生に一番大切なのだと当時の上長が教えてくれたのかもしれない。



今しばらくは自分の人生のために、子ども達の話に耳を傾けて、ゆっくりゆっくり気楽に生きていこう。



.