夫はとても大きな手をしています。
暖かくて頑丈に包んでくれる手です。
働き者の手です。
手をつなごうと布団をめくったら装束を着ていました。
私の指を絡ませる隙間はありません。
もう私の手の届く処に居ないのだと…
また泣いてしまいました。
夫は、ぽっくり逝ってしまいました。
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「どうして私を裏切ったの?」と、問いただして責め立てる気など遠い昔に無くなりました。
夫への執着も激しい怒りも遥か昔に消えています。
夫が逝った日、夫は残り香をまとって深夜の帰宅でした。
本当の尊厳と新しい幸せを掴み取ることを私が決意した瞬間でした。
過去を一つ一つ拾ってゆくと点と点が結び付き一本の線が見えてきて夫はそうゆう人だったと夫への期待と私との未来が見事にスーと消えました。
数か月前からの夫の言動とその折々の残り香が見切る要因でした。
行動を追う気も起こりません。
惨めさに泣くでもなく復讐に燃えるでもなく静かに冷静に懐にストンと落ちる思い…、
「あ!私には必要のない人。」
“念ずれば現ず”と言います。
必要のない人だと心に思ったコトが災いしたのではと、悔いの涙があふれます。
心に強く思ったことで、それが現実として現れたことに戸惑っています。
私がそのように思わなければ、まだまだ夫の未来はあったのではないでしょうか。
これまで、見切るよりまず自分はどうあるべきかずっと考えてきました。
負の感情を心のうちに認め、心のバランスを整えながら、まさしく絵に描いたような幸せを実現する為に自分磨きをしてきました。
与えられている生活で私なりに心を満たし責任ある行動を取るよう努力してきました。
その努力や幸せをBlogに遺し、どっちを向いているか分からない夫と共有することは、幸せの感度を高める最高の手立てでした。
夫婦がより良く続く未来を創造していたはずです。
ところが、
突然の夫の死。私が思い描いたフィニッシュと乖離しています。
現実は驚きと戸惑いです。「また泣いてしまいました」の喪失の涙は当惑の涙です。
今も悔いの涙が流れています。
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