異様な静けさ



ある女性は優しい口調で話します。
スレンダーで軽やかな身のこなしと共に謙虚なお人柄が全身に現れています。
特にお茶をお出しする姿勢が美しくてついつい見とれてしまいます。



彼女は、お客様がお越しになると絶妙なタイミングで私の視界から離れるのでその先を追って見ますと、
お茶をお出しする際には、サイドテーブルにお盆を置き相手の右後方側から両手で茶托を持って頭を下げて、
「どうぞ」といった言葉を添えて右手でお渡しし、左手はスッと股関節あたりに移っています。
その自然な流れは昔から承知している通りなのですが、彼女が行うと美しいと思うのは私だけではなく多くの方に好印象を与えているようです。
以前からお得意様より定評があり社長からお誉めの言葉を頂いていたと奥様から聞きました。
作法に拘りがある美しさではなく報酬を求めずに行う純粋な美しさについて考えさせられました。
私は情熱を注ぐ余りついつい過剰なサービスをしてしまうことがありますが、それとは非なり彼女は楚々として美しい〜〜〜。



ひとり一人の力が合わさって職場は成り立ちます。
立場やお考えに敬意を払って誰ひとりとして欠けてはならないと思っています。
同僚の良いところやご指導や反対意見にも なお耳を傾け相手を知るように心がけます。
集中すれば雑音は聴こえないはず。
仕事への情熱があるうちはネガティブな感情は起こらないはずです。



「ありがとうございます。」「すみません。」「はい!」の私の声が響く異様な静けさの中、
私の存在はどのように映っているのでしょうか?





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無性にふるさとの花々を見たくなり、仕事帰りに実家へ立ち寄りました。

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