旅立つとき

ツバメは今 盛んに巣立ちの時期ですが・・・・
職場で向き合っている親子は、まさにその巣立ちのときです。
自ら空に羽ばたこうとしているのか?
追い出されると思っているのか? 
 今 旅立つとき
その大切な瞬間なのだと自覚して欲しいなー。

希望をこめて

朝、メッセージカードを作りました。

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午後から 
みんなで 励ましの言葉を書き記していきます。

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しまなみ

末娘を広島の学生寮まで送った。体を揺らし大きく手を振っている娘の姿が、だんだん小さくなる。胸がキュンとなった。

しまなみの夕日は格別だった。
夫がハンドルを握りアクセル全開で夕日を追いかけた。
春へ向かってばく進しているかのようだった。
未来ある娘よ!多く學んで社会に役立つ人となれ。師に友に恵まれ幸多き年となれ。

しまなみ

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娘よ。あー、娘よ。

わずかな時間はあっという間にすぎて、夫の運転で娘を松山まで送りました。
「これからは生活費の仕送りをしなくていいから。次に控えている妹の学資の準備がんばって。」
と 長女は言うけれど、
私が関わることが もうすっかり無くなったことが逆に悲しくて、2年前進学のために家を出て行った時とは違った悲しみが襲ってきました。
娘の借家は、大学前の大通りから百数十メートル中道に入った所にあります。
荷物を部屋に片付け終えた娘は、コーポの入り口に立ち私たちを見送ってくれました。
『どうしても駄目だったら、辞めて帰ってきたら良いからね。』
と、私はまた余計なことを言ってしまいました。
娘には輝く未来が待っているのに・・・本人は覚悟を決めているのに・・・ほんとに馬鹿な親です。我ながら情けありません。
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コーポから大通りへは、とっても細い路地なので 車は後退しながら坂を下ります。
ゆっくりバックして角を曲がるまでの数分、助手席に座っている私には、満面の笑みで楽しそうに手を振る娘の姿が ぐ~んと空に近づくように見えました。
私は、説明のつかない感情が込み上げてきて涙を堪えるのが大変でした。
娘のこれからを暗示するかのように、空はとってもきれいでした。
美しくまっすぐ飛んでいきますように。

プレゼント

え~~~~~!結婚するぅ?

秋真っ盛り、最高の時季だ。

夫は、祭りが終わり運営委員として残された課題が多く、まだまだ本業に専念できないようだった。

私は、片づけがほぼ終わり法被のクリーニングの仕上がりを待つばかりになった。

祭り前に、やっと娘の採用試験の最終結果が出た。不合格だった。

数日たった今も夫婦は 気落ちしている。

『すまんの。』と何故か謝る夫。

『娘の為に何もしてあげられなかった。』と私。

多忙な夫と手持ち無沙汰な私は、長女のことをあれこれ話し合っていた。

娘は、

「保育士になる想いは強いけど、私には公務員になるという信念が足らんかったんよ。」

とか、

「二次の合格者5人で集団面接をした時、皆の気迫はそりゃ凄かったわ。」

とか、

「私に力が無かったんよ。これ以上心配せんといて。」

などと、私達夫婦の会話に一言、一言、添えていた。

私は気を取り直して振り袖姿の写真を眺め、

『これ、可愛い!この写真。』

『お父さん、これよこれ。昔でいう釣書に添える写真ってこんな感じかしら。ホントお見合い写真に良いわねぇ。』

「履歴書の心配から釣書?!もういい加減にして!夫婦で勝手に楽しんで!」

と、娘は呆れ顔。…と言うより怒っている。

そこへ、長男が、

「ワシ、結婚申し込んだ。受けてくれたけん来年結婚する。」

!』

家族皆、目が点。。。

一つ年下の彼女さんと付き合い始めて10ヶ月足らず。

「こんにちは。」『いらっしゃい。』

「おじゃましました。」『は~い。』

と、私は、玄関で数回挨拶を交わしただけ。

目が合うことがあってもそれ以上の会話をしたことが無い。夫は、まだ一度も会ったことが無い。

「先方のご両親に挨拶してきた。」

『まぁ~。私達は最後。どちらのお嬢様か、どんなお人柄なのか?全く知らんわ。』

機会は何度もあったのに、話し掛けんかった母さんが悪い。」

『まぁー。まぁー。まぁ〜~。』

『あなたの機転の無さを棚に上げて私が悪いって言うの。』

まだ若いから楽しく遊んでるって思ってたわ。あなたは、まだ22歳よ。早すぎるわ。』

まだまだ私の側に居てくれるって思ってたわ。気を落ち着かせて。

『あ、できちゃった婚?』

「ちがう。」

彼女さんにとってみれば、プロポーズは一生もんだから・・・感動している最中にケチをつけたら可哀想よね。

でも、でも、でも、息子に尋ねてみた。

『 他の展開は 考えられない? 』

「全くない。これしかない。」

夫に何か言ってもらおうと、顔を見た。夫は黙ってすっかり冷え切った茶を飲んでいた。

夫は家族皆の視線を感じたらしく一言。

『近く会う日をセッティングしろ。』

「観て学習しとこね。」と、つぶやく次女の声が聞こえた。

隣でうなずく次男。

双子っちは、これまでの一部始終を冷静に見ていたようだった。

はてさて?何を学習するっていうの!

『結婚って、個人同士良ければ円満ってなもんじゃないのよ。親族と親族がつながるってことなのよ。』

『ご縁があれば 自然に導かれてまとまるものなのでしょう。』

と、私は自分の動揺を取り繕って、さも締め括ったかのように台所へ行った。

すれ違う長女に、

『あなたは、さき急いで結婚することより、自立することを考えようね。』

「はい。」

と、長女は返事良く、流れが変わってふふふっと嬉しそう。

お風呂の湯につかってユックリ考える。

気になることは山ほど・・・

先様は、こちらのことをどう思っていらっしゃるのかしら?

息子は全くロマンチストではないから、プロポーズどんなだったんだろう~。

気の利く言葉、言えたかしら?

きっと直球だわ。あー、目に浮かぶわ。私の記憶を辿ってそう思う。

生意気なヤツだし、メンドイ奴だし、頑固オヤジ予備軍だよ。

彼女さん、この先 大変だろうな。

LOVE イヤミ LOVE